冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
私は、ユノヘスへと嫁ぐことをしばらく母に言えなかった。
その代わり、小さな頃から仲がよく、半年前に子供を産んだアリアナにだけは相談した。
彼女は私よりふたつ年上ではあるけれど、赤毛がチャーミングで優しい目が印象的。
そして、私と同じように子供が大好きなので、よく一緒に子供たちの面倒を見ていた。
その彼女がかわいい赤ちゃんを産んで、最近ではすっかり母親の顔をしているので、私も早く幸せになりたいなぁなんて漠然と考えていた。
でもまさか、会ったこともない人のところに嫁ぐとは思ってもいなかったけれど。
「リリアーヌ、本当にいいの? だって、あの人だよ」
アリアナが『あの人』と眉をひそめるのにはわけがある。
ユノヘスの王太子は、冷酷非道で、戦いに出陣するときは自ら軍を先導し、敵国の兵を容赦なくバッサバッサと切り捨てるとの噂が耳に入っているからだ。
その代わり、小さな頃から仲がよく、半年前に子供を産んだアリアナにだけは相談した。
彼女は私よりふたつ年上ではあるけれど、赤毛がチャーミングで優しい目が印象的。
そして、私と同じように子供が大好きなので、よく一緒に子供たちの面倒を見ていた。
その彼女がかわいい赤ちゃんを産んで、最近ではすっかり母親の顔をしているので、私も早く幸せになりたいなぁなんて漠然と考えていた。
でもまさか、会ったこともない人のところに嫁ぐとは思ってもいなかったけれど。
「リリアーヌ、本当にいいの? だって、あの人だよ」
アリアナが『あの人』と眉をひそめるのにはわけがある。
ユノヘスの王太子は、冷酷非道で、戦いに出陣するときは自ら軍を先導し、敵国の兵を容赦なくバッサバッサと切り捨てるとの噂が耳に入っているからだ。