冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「バスチューは大丈夫です。しばらく高い熱にうなされておりましたが、それも下がりました。先ほど水を持っていきましたら、リリアーヌさまへの感謝のお気持ちを口にしておりましたよ」


回復してよかった。
ホッとして小さく何度もうなずくと、コールはなぜか顔をしかめる。


「リリアーヌさまはご自分の心配をなさってください。バスチューよりも重症です」


侍女なのに母親のような言い方だったコールは、心配してくれているのだろう。
私はそれがうれしくて、もう一度うなずいた。

するとその様子を見ていたヤニックは、心配そうに私の顔をのぞきこむ。


「リリアーヌさま。私はいつでもお控えしております。なんでもお申し付けください。リリアーヌさまのためなら、なんでいたします」


私は再び口を開いて『ありがとう』の形を作ると、彼は深く一礼してくれた。
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