冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「リリアーヌ。痛むのか?」


王太子さまに再び問われた瞬間、ポロポロと目から涙が流れ出し、止まらなくなる。

もちろん、痛い。
でもそれより、怖い。


泣きながら顔を背けると、彼は自分もベッドに上がってきて隣に横たわった。

広すぎるベッドはふたりでも十分だったけれど、彼はピッタリとくっつき私を強く抱きしめてくれる。


たちまち速くなる鼓動。
男の人に、こんなことをされたのは初めてだった。


「ここに俺がいるだろ。心配するな。なにがあっても守ってやる。もう怖い思いはさせない」


彼がそんな優しい言葉をかけてくれると、いっそう我慢が利かなくなり、体を震わせて泣いてしまう。


「大丈夫だ、リリアーヌ」


すると彼は私の髪に手を入れ、何度も何度も撫でてくれる。
それがまるで母にされているかのようで、次第に高ぶった気持ちが落ち着いてきた。
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