冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「ですが……王太子さまにも護衛が必要です」

「それならば、俺の部屋には通常通り兵士をドアの前に立たせおけ。万が一侵入者があったとしても、まずは護衛のついている部屋を探すものだ」


なるほど……。
敵の目を欺くということか。

戦いの戦略も彼が練っていると聞いていたけれど、頭もキレるのだろう。


「ここに護衛がたくさんつけばつくほど、ここにいると言っているようなものだ。それに、ヤニックも優れた剣士だと聞いている。心配には及ばぬ」


王太子さまがきっぱりとそう言い切ると、コールは心配げな顔をしながらもうなずいた。


「承知しました。ヤニックに伝えます」


そしてコールが出ていくと、今度こそふたりきりになった。

もう湯を浴びている彼は、昼間とは違い柔らかくて薄い夜着を着ている。
光沢のある布は、やはりシルクかもしれない。
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