冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
王太子ともあろう人が、私なんかの看病をするなんて……。

でも、彼をよく知る機会かもしれない。

ひとりを好むと聞いていた彼と一緒にいられたら、少しは心を通わせられるかもしれないと期待したものの、肝心の会話ができないことに唖然とした。


それに……『恋をしに参りました』なんて偉そうなことを言ったのに、おそらくヤケドが治れば追い出される身。
彼のことを深く知っても意味はないかもしれない。


「コール。ヤニックを隣の部屋に待機させよ。リリアーヌはたくさんの目がある中での生活にまだ慣れていない。他の護衛はいらぬ」


すぐにコールを呼びそう告げた王太子さまに驚いた。

彼の言う通り、常に監視されているような生活は窮屈で、ただでさえ慣れない王宮での生活に戸惑っているのに、ちっとも気が休まらない。
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