柏木達也の憂い
「通用すると思いますか?」
恐る恐るそう問うと
「この賞と、お前、相性いいと思うよ。だから他のヤツじゃなくって、柏木に勧めてる」
そう言いきってくれる部長の言葉に胸があつくなった。最近では自分なりのデザインを認めるてもらうことも増えてきたけど、もっともっと認められたい、もっともっと自分の価値を高めたい、そう思ってた。
だからこそ、他でもない俺にっていう言葉が響いたのだ。
ありがとうございます、そうお礼を言いながらも、最近考えるようになってきてたことを口にした。
「部長。自分の価値で勝負したいって、ずっと思ってました。もし、このコンペとれたら、独り立ち、考えてもいいでしょうか」
まだ5年目の若造が何を言ってんだ、鼻で笑われても仕方ないような相談だった。だけど、部長は真剣に向き合ってくれて
「おう。獲れたら、な。でも、そんな甘くないぞ」
そう返してくれた。