甘い媚薬はPoison
「まだ寝てる。起きるまで寝かせてやって。あと起きたら今日は会社休むように伝えてくれ」
今日佐藤さんと愛梨が顔を合わせるのは避けたい。
「わかった。でも……もし、愛梨ちゃんがどうしても会社行くって言い張ったらどうする?」
「無理して来られても迷惑だし、これ以上痩せると胸がなくなるぞって脅せば言うこと聞くから」
俺の発言に一瞬歩は目を丸くしたが、すぐに気を取り直すとクスッと笑って俺をからかった。
「その台詞……兄貴らしいよね。好きな子には意地悪したくなる子供みたいだね、兄貴」
「煩い。これが一番愛梨には効果的なんだよ。じゃあ、後頼む」
仏頂面で言って歩の返事も聞かずに家を出ると、会社に向かった。
会社に着くと、まだ八時過ぎだったせいか、佐藤さんは来ていない。
「一体……どんな顔して出勤してくるのか」
自席に着くと、パソコンを立ち上げ、溜まっていたメールを処理する。
だが、メールを読みながらも佐藤さんのことが気になった。
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