甘い媚薬はPoison
まだ彼女が犯人と決めつけるのは早計かもしれないが、怒りで頭の血が沸々と煮えたぎる。
杉山に同席を頼んだのは、俺だけだと冷静さに欠くと思ったからだ。
それから杉山が来て、ふたりで佐藤さんの処遇について話し合った。
八時半過ぎに佐藤さんが出勤してきて、彼女が席に着く前に会議室に呼んだ。
「佐藤さん、ちょっと話がある」
それでなにかかおかしいと気づいたのだろう。
佐藤さんは俺の顔を正視できず、ビクビクしていた。
この狼狽え方。彼女が犯人で決まりだな。
ただの勘違いや事故じゃない。
杉山と一緒に会議室に入り、佐藤さんを椅子に座らせると、俺と杉山は彼女の対面に座った。
「昨日の夜、岸本さんが誰かに倉庫に閉じ込められたんだが、佐藤さんはなにか知らないか?」
俺がそう尋ねると、佐藤さんはじっと下を向いたまま黙り込む。
彼女の手は震えていた。
「倉庫の近くに防犯カメラがあって、その映像を確認したら岸本さんが倉庫に入った後に佐藤さんが鍵を締めたように見えたんだが、そのことについて説明してくれないか?」
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