甘い媚薬はPoison
私が悪いんだから……。
「ううん、児玉くん、ごめんね。きっと私のお弁当食べたから」
申し訳ない思いで児玉くんに謝ると、たまたま杏奈さんと話していた蓮くんと目が合った。
「お前が料理をするとろくなことがない。うちの期待のホープを殺すなよ」
私と児玉くんのやり取りを見て状況を察したのだろう。
蓮くんは私を咎めるような目で見て言う。メガネの奥の目も怒っていて怖い。
「……ごめんなさい。もう料理はしません」
蓮くんの言葉に反論できず、私は彼の視線を避けながら謝る。
「岸本さん、余計なことはせず、自分の仕事だけするように。児玉、今日は早退していい。病院に行ってゆっくり休め」
蓮くんは児玉くんにそう声をかけると、社長室へ戻って行く。
本当……仕事の邪魔してなにしてるんだろう、私……。
蓮くんのことを思ってやったことなのに、何故か空回り。
こんなんじゃあ、一生かかっても女として見てもらえない。
どうしたら彼を振り向かせることが出来るのだろう?
私がどんなにセクシーな服を着たって、蓮くんは「そんな格好みっともない」って父目線で言うだけだ。
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