エリート上司の甘い誘惑


それとも自力で帰ってきた?
出来ればそうであって欲しい。


ここは間違いなく自分の部屋で、着替えてもおらずただワンピースの背中のファスナーは途中まで下ろしてあった。
窮屈過ぎて自分でやったのだろうか。


念のため言うならパンツもちゃんと履いている。
もう一つ、びくびくしながら枕元のゴミ箱を覗いたが、やらしいゴミは落ちてない。


落ち着け、と唱えながら冷や汗だらだらで携帯を探すと、あっけなく昨日のバッグの中に見つかった。
意味はないけど、携帯の所在を確かめることでなんとなく気持ちが落ち着く。


きっと、エロい夢を見たんだ。
そうに違いない。


欲求不満を認めるのは甚だ悔しいが、事実園田と別れてからそういうコトはいたしていないし。
相手があやふやな状況で、醜態を晒し更には濃厚キスまでやってしまったよりはずっとマシだ。


そうだ夢に違いない、シャワーでも浴びてすっきりしようと洗面所に足を運び。
そこで見つけたものに、


「ひぃ!」


と思わず悲鳴を上げた。


洗面台の上に、明らかに男物の腕時計が。
これが証拠だ、と言わんばかりに堂々と残されていた。
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