エリート上司の甘い誘惑

「お、はようございます」

「ああ、おはよう」



部長は、至っていつも通りだ。
だけど私の方は、身体全部真っ赤じゃないかと思うくらい熱くなって、じっとり汗まで噴き出した。


ああ、まずい。
どんな顔して会えばいいのだろうとこの土日悩んで終わったけど、結局会っても普通ではいられなかった。


落ち着け―、落ち着け―、と言い聞かせながら、朝礼の前にと慌ててデスクで今日の仕事を整理する。
その袖を、くん、と誰かが引いた。



「え。あ、東屋くん?」

「さよさん、昼に」

「あ、うん。わかった」



昼に、忘年会のことを話し合おうということだろう。
頷くと、彼も自分のデスクに戻っていった。
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