エリート上司の甘い誘惑
「あー……、そう。それなんですけど」
「うん」
「悩み、っつうかちょっと、こうして話したくて。さよさんと」
少し照れ臭そうに、彼が横髪を掻いた。
どういうことだ、と訝しんでつい眉根が寄ってしまう。
「なんか、こうしてさよさんと食事するだけで、初心に戻れたような気はします」
「気はします、って。それじゃなんも解決してないじゃないの」
「あ、そんな。怒んないでくださいよ」
ほらほら食べて、とまた一切れピザが乗せられる。
それで機嫌が取れると思っているなら失礼な話だ。
「ちょっと悩んでたのは本当です。ずっと営業やってると、上手く行っててもなんかこう、段々感覚がおかしくなっていくというか……少しずつ、要領がよくなっていくじゃないですか。
取引先との会話にも慣れが出て来て、ふと気が付くと、大事な部分が初めの頃よりぞんざいになってたり」
「あー……言いたいことはなんとなく。わかる」
「なので、今日はさよさんと食事が出来て良かったです」
「そこはわからん」
「入社したばっかりの頃、何度か昼飯一緒したじゃないですか」
なるほど、それで”初心に戻る”か。
と、納得して頷いた。
「リフレッシュツールみたいなもん?」
「そうそう」
何か、模索している時期なのだろう。
だとすれば、初心に戻ろうという心意気は中々のものだ。
大抵は、そういう時には焦って前へ前へ行こうとする。
「なので、たまに食事付き合ってくれると嬉しいです」
「うん」
「悩み、っつうかちょっと、こうして話したくて。さよさんと」
少し照れ臭そうに、彼が横髪を掻いた。
どういうことだ、と訝しんでつい眉根が寄ってしまう。
「なんか、こうしてさよさんと食事するだけで、初心に戻れたような気はします」
「気はします、って。それじゃなんも解決してないじゃないの」
「あ、そんな。怒んないでくださいよ」
ほらほら食べて、とまた一切れピザが乗せられる。
それで機嫌が取れると思っているなら失礼な話だ。
「ちょっと悩んでたのは本当です。ずっと営業やってると、上手く行っててもなんかこう、段々感覚がおかしくなっていくというか……少しずつ、要領がよくなっていくじゃないですか。
取引先との会話にも慣れが出て来て、ふと気が付くと、大事な部分が初めの頃よりぞんざいになってたり」
「あー……言いたいことはなんとなく。わかる」
「なので、今日はさよさんと食事が出来て良かったです」
「そこはわからん」
「入社したばっかりの頃、何度か昼飯一緒したじゃないですか」
なるほど、それで”初心に戻る”か。
と、納得して頷いた。
「リフレッシュツールみたいなもん?」
「そうそう」
何か、模索している時期なのだろう。
だとすれば、初心に戻ろうという心意気は中々のものだ。
大抵は、そういう時には焦って前へ前へ行こうとする。
「なので、たまに食事付き合ってくれると嬉しいです」