イケメン御曹司のとろける愛情
「あちらで、奏美さんとお話をしたいという方がお待ちです」

 三好さんの視線を追ってテーブル席を見ると、カウンターに近い四人掛けのテーブル席に、女性と男性が一人ずつ座っているのが見えた。

 誰だろう、と思う間もなく、二人が立ち上がる。

「うちにもよくいらしてくださる方です。インフィニティ・エアクラフト株式会社の円崎さんと水無川さんという方です」
「ええっ」

 三好さんの言葉に驚いて、思わず声を上げてしまった。落ちついたバーには不似合いな声を発してしまい、恥ずかしさに顔が熱くなる。

「ご紹介して大丈夫ですか?」

 三好さんに心配そうに訊かれて、私は目を泳がせた。

 どうしてあの二人が私に会いに来たのか、理由がまったくわからない。翔吾さんが私と浮気したことが円崎さんにバレて、円崎さんが乗り込んできた、とか……?

 うわー、そんな修羅場をこんなところで……。せめて控え室で話をしようか、と思ったとき、二人がこちらに近づいてくるのが見えた。
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