イケメン御曹司のとろける愛情
 私が言うと、円崎さんはキレイに整った眉を寄せた。

「え、奏美さんってもしかしてアッパーフロアの人じゃないんですか?」
「アッパーフロアの人……ってアッパーフロアで働いている人って意味ですか?」

 私が質問で返すと、円崎さんはパチパチと瞬きをした。

「そういう意味ですけど……」

 円崎さんは小さく咳払いをして続ける。

「前回来たときは、アッパーフロアのソフトウェア開発会社に勤めている男性がバーテンダーをしてたんですよ。いろいろ情報交換できていいんですけど、今日はいないみたいですね。でも、奏美さんには関係ないお話でしたよね、ごめんなさい」

 円崎さんはソファにゆったりもたれて私を見た。少し顎を持ち上げた彼女の視線に、見下されているような気にすらなってしまう。

 居心地悪く感じて、カクテルまだかな、と思ったとき、ようやくさっきのバーテンダーが私たちのドリンクを運んできた。

「お待たせいたしました」

 丁寧な手つきでテーブルにそれぞれのカクテルを置いた。

「ありがとう」
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