イケメン御曹司のとろける愛情
 電話の向こうでお父さんがゴホンと咳払いをした。

『今度……その彼を連れて食事にでも来なさい』
「えっ、食事に?」

 お父さんから思いもかけないことを言われて、私は思わず固まった。

『かまわんだろう』

 お父さん頑固なんだけどな、どうしよう、と思って翔吾さんを見ると、私と家族の関係を知っている彼は私の耳に唇を寄せた。

「俺はいいよ」

 直後、通話口からまたお父さんの咳払いが聞こえてくる。

『ただし、人前でベタベタするのはほどほどにしなさい』

 お父さんに言われて、私たちは目を見開き顔を見合わせた。

『それじゃ、近いうちに来るんだぞ』

 お父さんはそう言って通話を終了した。翔吾さんは私の手を握り、見学者の間を縫って歩き出す。

「またテレビに映っちゃうかも」

 私が言うと、翔吾さんがいたずらっぽく笑って言う。

「だから、映らない場所に行くんだ」
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