イケメン御曹司のとろける愛情
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「ありがとうございました。またお越しくださいませ!」
私は明るい笑顔で言って、目の前のOLさんに商品の入ったビニール袋を差し出した。昨日から販売開始になった、十月限定のマロンクリーム・サンドクッキーをお買い上げだ。
「ありがとう」
OLさんは軽く会釈して自動ドアに向かった。その後ろ姿を見送っていたら、ちょうど店に入ってこようとした男性と目が合った。
「あ」
私を見て驚いた顔をしたのは、今朝、パンプスを引き抜いてくれた男性だ。
こんなところで会うなんて!
嬉しいような、恥ずかしいような……。
私はドギマギして、意味もなくメガネのツルを押し上げた。
「ここで働いていたんだね」
男性が今朝と同じ爽やかな笑顔になって、レジカウンターに近づいてきた。
「あ、は、はい。いらっしゃいませ。あの、今朝は本当にありがとうございました」