イケメン御曹司のとろける愛情


***


「ありがとうございました。またお越しくださいませ!」

 私は明るい笑顔で言って、目の前のOLさんに商品の入ったビニール袋を差し出した。昨日から販売開始になった、十月限定のマロンクリーム・サンドクッキーをお買い上げだ。

「ありがとう」

 OLさんは軽く会釈して自動ドアに向かった。その後ろ姿を見送っていたら、ちょうど店に入ってこようとした男性と目が合った。

「あ」

 私を見て驚いた顔をしたのは、今朝、パンプスを引き抜いてくれた男性だ。

 こんなところで会うなんて!

 嬉しいような、恥ずかしいような……。

 私はドギマギして、意味もなくメガネのツルを押し上げた。

「ここで働いていたんだね」

 男性が今朝と同じ爽やかな笑顔になって、レジカウンターに近づいてきた。

「あ、は、はい。いらっしゃいませ。あの、今朝は本当にありがとうございました」
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