生徒会の甘い罠
巧さんのママさんがドアを閉めた。


何の障害もなくなったから、自然と身体が動きまーす。


ホントにわかりやすい人間だ。


クリーム取ってる間の巧さんは落ち着きがなく、目をキョロキョロしてた。


「パジャマがないなあ」


「このままでも寝れますから平気です」


とは言ったものの、巧さんが普段から寝てるベッドでなかなか寝れるわけもなく目を閉じたまま。


男臭いってわけでもなく、無味無臭に近くて寝るには困らないんだけど、ドキドキが邪魔する。


巧さんは床で寝ていびきかいてるし。


私はひたすら天井を眺めるしかないのか……。


寝るのを何度か諦めかけたけど、それでもやっと……。


やっとまぶたが重くなってーー。


…………。


手を握られてる。


「起きてるか?」



巧さん?



めちゃくちゃあったかいんですけど。


ホントに床で寝てました?


どうしていいかわからず目を閉じたまま。


もう半分寝てるかもしれない。


「手出てるぞ。意外に寝相悪いんだな」


そう言って布団をかけ直してくれた。


やばい…………。


朝まで起きてるパターンかも。


でも…………。


思わぬクリスマスプレゼントありがと。


私だけの記憶に残るプレゼントだあ。












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