フェアリーテイルを夢見てる


朝が来ました。

私は自分のベッドから抜け出すと、いつものごとくシタシタと巧さんに近付いて行きます。

そして彼のベッドに飛び乗り、恒例の儀式。


「巧さん、朝ですよ~」


……あら?


言いながら、手先で巧さんの頬に触れた瞬間、私は違和感を覚えました。

そこから伝わって来る体温がかなり高いように感じられたからです。

首を傾げながらもツンツンチュッチュッとしていると、いつもよりも大分時間がかかってからようやく巧さんは目を覚ましました。


「……おはようケイ子」


しかし声には張りがなく、笑顔もとても弱々しいです。

あの代休の日から一週間近く経過しているのですが、かなりお仕事が立て込んでいたらしく、帰りは連日深夜過ぎでした。

そして昨夜、「やっと一段落ついたよ…」と呟きながら床に就き、久しぶりに長めに睡眠を取ったのですが、どうやらそれくらいでは蓄積された疲れは取れなかったようです。

と言いますか、代休前からずっと多忙な日々が続いていましたので、あの日は巧さんにとっては大変貴重なお休みだった事になります。

それなのに私の為に潰させてしまって…。

今さらながらとても申し訳ない気持ちになりました。

そのまま巧さんはいつもと同じように活動を開始したのですが、動きに機敏さがなく、身仕度にもすごく時間がかかっていました。
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