フェアリーテイルを夢見てる
そして朝の大切な栄養源である、温野菜サラダを半分以上も残してしまったのです。


「……巧さん大丈夫?」

私はダイニングテーブルに近付き、彼を見上げ、ハラハラしながら問いかけました。


「とても辛そうな顔をしてるよ。具合が悪いんじゃないの?」

「…ああごめん。心配をかけちゃったか」


私の思いが伝わったようで、巧さんは眉尻を下げながら答えました。


「大丈夫だよ、ケイ子。動き回っているうちにいつもの調子が戻って来るだろうから。さて、後片付けをしないと」


巧さんはそう宣言し、ゆったりとした動作で立ち上がり、トレイを手にキッチンへと向かいました。
身支度を整え、鞄を手に玄関に向かって歩き出した巧さんの後をいつものように追いかけます。


「じゃ、行ってくるね」


言葉を発しながら、ドアを開け、廊下へと足を一歩踏み出した巧さんでしたが…。

「あ!」

私は思わず叫びました。
彼の体がグラッと揺れたかと思いきや、そのまま前のめりに床に倒れ込んでしまったのです。

「巧さん!」

私は慌てて玄関のたたきに降り、横たわる彼に接近しました。

「たくみさん!たくみさん!」

そして彼の周辺をうろうろと歩き回りながら必死に呼び掛けましたが、返事はありませんでした。


「…うぅ…」


顔だけ横に向けたうつ伏せの姿勢で、この上なく表情を歪め、額に脂汗を浮かべて、低い唸り声を発しているだけです。
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