フェアリーテイルを夢見てる
予想は見事に的中しました。


「お父さん大変です!」


私は彼を仰ぎ見ながら叫びました。


「君は…ケイ子ちゃん、だよな?」


そう問い掛けながらお父さんはしゃがみ込み、私の首元に手を伸ばしました。
そこにはオーダーメイドの赤い革のチョーカーが巻かれています。
そして内側に、私の名前と巧さんの電話番号が書かれたプレートが付いているのです。
巧さんが専門のお店に発注してくれた品なのですが、お洒落で可愛くてとても気に入っています。
彼はホントセンスが良いのですよね。


「ああ、やっぱりそうだ」


お父さんはそれを確認し、間違いなく私が『ケイ子』だと判断できたようです。

私の方はしっかりとお父さんのビジュアルをインプットできていましたが、彼の方はそうではなかったのですね。
でも、それは仕方のないことだと思います。
ほんの数回、とても短い時間接しただけですし、私と同じタイプで同年代の子は皆同じように見えてしまうらしいですから。
弁護士であるお父さんはしっかりと事実確認をしてからでないと次の行動には移らないのでしょう。


「どうしたんだい?巧は一緒じゃないのか?」

「ああ!やっぱりいた!」


するとそこで背後から田中さんが駆け寄って来ました。


「エレベーターの階数表示を見てたらここで止まったから。地上に逃げ出さないで良かった。あ、末永さんおはようございます」
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