フェアリーテイルを夢見てる
「皆さん本当にお騒がせしました」

「しばらくこの子は家で預かりますので」


警備員さんや田中さんとそんな風な会話を交わした後、二人はエレベーターで一階へと上がり、エントランスを横切りビルの外へと出ました。


「それじゃ、私は残りの仕事を片付けてから帰るから」


ロータリーで待機していた運転手さん付きの黒塗りの車に荷物を詰め込んだ後、お父さんはそう宣言しました。


「ええ。頑張って下さいな」


そうして私はお母さんと共に巧さんの実家へと向かったのでした。


「いらっしゃーい。ケイ子ちゃん」

「あらまぁ、本当に可愛らしい子なのねぇ」

「瞳がとても利発そうだ」


一足先に病院から帰って来ていたらしい妹さんとおばあさん、おじいさんが玄関先で私を出迎えてくれました。

何だかとても歓迎ムードです。


「キャン!」


…その中でも一番テンションが高かったのはワンちゃんでしたが。

犬種はポメラニアン、名前は永太郎君というらしいです。

リビングの床に私が降り立つやいなや、瞳を輝かせながら走り寄って来ました。

永太郎君は犬の中では小柄らしいのですが、私から見たら充分大きく感じられ、そのテンションの高さと相まってかなり圧倒されてしまい、思わず妹さんの後ろに隠れてしまいました。
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