フェアリーテイルを夢見てる
気まずそうな表情で答える巧さんに、小池さんはたたみかけました。


「しかもそれを通り越して腹膜炎になりかけてたんだろ?ちょっとでもヤバいと思ったらさっさと病院に行かないと。病状が悪化したら治療が長引くし自分自身も辛いんだから」

「そうだよな…。周りに思いっきり迷惑をかけてしまって、本当に申し訳ない事をしたと思う」

「つーか、変な風に解釈すんなよ?俺が怒ってるのは、お前の無駄な忍耐力についてだから。結果、色んな人に心配をかける事になるんだから、自分の体は大切にしないと」

「うん…」


「……まぁ、病み上がりの人間への説教はここまでにするとして…」


あまりにもうちひしがれている様子の巧さんを不憫に思ったのか、小池さんは話の締め括りに入りました。


「しばらくは無理せず、体と相談しながら仕事しろよ」


そしてそう言いながら、小池さんは自分の右隣に座る巧さんの頭上に手を伸ばすと、数回ポンポン、と叩きました。

とても優しいその仕草。

私は今回も見逃しませんでした。

巧さんは一瞬、とても満ち足りた、この上なく幸せそうな表情を浮かべたのです。


……よかったですね、巧さん。

小池さんに頭ポンポンしてもらえて。
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