クールな次期社長の甘い密約
そして、私達に配属先の辞令を渡していたのがそのボンクラ課長と判明し、二度ビックリ。
「どうりで頼りなかったワケだ。私が小沢真代と怒鳴り合っていてもオロオロするだけで何も出来なかったものね」
当時の話しを聞き、森山先輩が麗美さんを大絶賛。二人はすっかり意気投合して仲良しこよしになってしまった。で、私の配属ミスの件はうやむやにされ、話題は倉田さんの疑惑にシフトしていく。
二人ともついさっきまで笑顔で盛り上がっていたのに、倉田さんの事になると意見が噛み合わず、話しは平行線を辿っていた。
白熱したバトルを繰り広げていた二人だったけど、森山先輩が言った一言で険悪なムードが一変、個室は笑いの渦に包まれる。
先輩が言ったのは、私が主張した倉田さんが専務を好きだという純愛疑惑。
「ヤダ~茉耶ちん、何寝ぼけた事言ってんの? 倉田課長が専務をそんな目で見てるワケないじゃん」
「でしょ~この娘ったらマジでそう思ってるのよ。全く、何考えてんだか」
二人に全否定されションボリしていたら、麗美さんが急にフリーズして黙り込んでしまった。が、しかし、数秒後、謎が解けたと大きな目を更に大きく見開く。
「……ねぇ、茉耶ちんの容姿が酷かったのに受付を異動にならなかったのは、深い訳があったからじゃない?」
「何を今更……理由は大沢さんが意外にも可愛かったからでしょ?」
森山先輩が気の抜けた声で呟くと麗美さんはビールの入ったグラスをテーブルに置き、怖い顔で首を振る。