クールな次期社長の甘い密約

既読は付いた。でも返信がない。そうなるともう悪い予感しかしなくて顔面蒼白でオロオロしていた。


「私のせいで大変な事になってるのかも……麗美さん怒ってるかな?」


事情を知った森山先輩も落ち着きがなくなり「私は関係ないからね」って完全に逃げ腰だ。


そして待つ事、二十分。ディスプレイに麗美さんからのメッセージが表示されると森山先輩と先を競って内容を確認する。が、その世にも恐ろしいメッセージに先輩と二人で固まった。


《今、倉田課長が来て、仕事が終わったら二人で食事に行きましょうって誘われたぁ~! これってヤバいよね? もう心臓バクバクでゲロ吐きそう》


「森山先輩、麗美さんゲロ吐きそうだって……どうしましょう?」

「はぁ? なんでそっちなの? 二人っきりの食事の方が激ヤバでしょ?」

「あ、あぁ、そうですね」


動揺して舞い上がっているから、もう何がなんだかワケが分からない。


すると、また麗美さんからラインがきて、取りあえず、何を聞かれても知らぬ存ぜぬで通すつもりだけど、一人じゃ心細いから倉田さんと食事する店の近くで森山先輩と待機してて欲しいと言ってきた。


「はぁ? なんで私を巻き込むのよ? 私は関係ないじゃない」

「そんな事言わずに……頼りになるのは森山先輩だけなんです。お願いします」

「まぁね~私を頼りたいってのは分かるけど……ハッキリ言って、もうバレバレなんじゃない? アナタ達が仲いいのは倉田課長も知ってるんだから」


そうだよね。今更、否定しても遅いかもしれない。でも、麗美さんを悪者にしたくないし……どうしよう。

< 155 / 366 >

この作品をシェア

pagetop