クールな次期社長の甘い密約
『そんなに悪い事をしたと思っているなら、今夜、私とデートして下さい』
「はぁ? デート?」
倉田さんとデートだなんて有り得ないんだけど……それに、その事を専務が知ったら、それこそ大変な事になる。
なので、丁重にお断りしたのだけど、倉田さんは納得するどころか専務は今夜、私との結婚を社長に報告しに実家に行くのでバレる事はないなんて言う。
出来るものなら断りたかった。でも倉田さんには借金の件で負い目があったし、何より、直接会って謝りたいと思っていたから結局断り切れず、今夜、彼と二人で会う事になってしまった。
倉田さんが言うには、専務を実家に送った後になるのでハッキリした時間が分からない。だから、私にマンションに帰って待っていて欲しいと。
渋々承諾し、自分の携帯番号を伝えて内線を切った。
とにかく、ちゃんと会って謝らなきゃ……それに倉田さんに聞きたい事もある。実は、ずっと気になっていたんだ。あの言葉の続きを……
"大沢さんは、不思議な人だ……アナタと居ると……"
私と居ると、なんなんだろう?
――PM 7:00
仕事が終わって真っすぐマンションに帰った私は、スマホを握り締めソワソワしながら倉田さんからの電話を待っていた。
でも、時間が経つにつれ、会社以外で専務に隠れ倉田さんと二人っきりで会うのは専務を裏切りる事になるんじゃないかと思い始める。
罪悪感で心が揺れ、やっぱり断った方がいいかも……そう思った時、倉田さんから電話が掛かってきた。
『マンションに着きました。出できてくれますか?』