クールな次期社長の甘い密約
私が一番幸せ? こんなに苦しいのに?
森山先輩を見つめる目には涙が溢れ視界を歪めていく。
その涙に気付いた森山先輩が「まさか、もうマリッジブルー? ちょっと早過ぎない?」って驚きの表情を見せる。
「先輩、私、このまま専務と結婚してもいいんでしょうか?」
「いいも何も……専務と結婚すれば、アナタの幸せは約束された様なモノじゃない。何寝ぼけた事言ってるのよ」
呆れ顔の森山先輩に一笑され、もう黙っている事が出来なくなり、遂に胸の内を吐露してしまった。
「専務に愛されてなくても……幸せになれるんでしょうか?」
森山先輩の顔がみるみるうちに強張り、スイートローズの唇が微かに震えている。
「ちょっと、それどういう意味よ?」
「専務は社長になる為に私を利用しようとしているのかもしれないんです」
「はぁ?」
森山先輩がポカンと大口を開け、綺麗な顔がとんでもないマヌケ顔になっている。そんな森山先輩に縋り付き、なりふり構わず叫んでいた。
「それに、私、専務以外の人を好きになってしまいました!」
「なっ、なんですって?」
私のダメ押しのカミングアウトに先輩は放心して椅子からずり落ちるが、すぐに真顔になり、足元のプレートを凄い勢いでカウンターの上に置いて立ち上がる。
「あ、お昼までまだ十分ありますけど……」
「それが何? 今から緊急会議よ! 秘書課の谷本さんも呼びなさい!」
そして私は鬼の様な形相の森山先輩に引きずられ、以前、緊急会議が行われたカフェに連れて行かれた。