クールな次期社長の甘い密約
仕事が終わった後、着替えを済ませた私は麗美さんの言いつけを守り、ビルの玄関前で彼女を待っていた。
数分後――息を切らして現れた麗美さんに腕を引かれ連れて行かれたのは、近くのビルの三階にあるお好み焼き屋さん。と言っても、私が地元で食べに行ってたお好み焼き屋さんとは大違い。
モノトーンの内装がとてもお洒落な落ち着いた雰囲気のお店で、客層の大半が若者だ。
「私、スペシャルミックス。チーズとお餅もトッピングして。茉耶ちんは?」
「じゃあ、私も同じので……」
オーダーを済ませ、麗美さんと目が合った瞬間、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
「ねぇ、お昼の続きだけど、専務とどういう関係なのよ? いつあんなに仲良くなったの? もしかして、もうシちゃったとか?」
話せば長くなるって答えると、麗美さんは「上等だよ!」って腕まくりをして身を乗り出す。
「時間はたっぷりあるから、何もかも全部話して!」
麗美さん、めっちゃ怖い。まるで尋問されてるみたいだ。
ここで嘘を付いた事が後でバレたら大変な事になりそうだったので、全て包み隠さず正直に話した。もちろん、森山先輩には言えなかった専務の膝の上で抱き締められた事も……
話しを聞いている間、麗美さんは、鉄板の上で香ばしい香りを漂わせているお好み焼きを黙々と食べていた。だが、全てを聞き終えると手を止め、何かを悟った様に大きく頷く。
「なるほど……それ、ギャップ効果だね」
「ギャップ……ですか?」