クールな次期社長の甘い密約

「私のサイズを把握してるって……どういう事ですか?」


恐る恐る聞いてみると昨夜、泥酔して眠ってしまった私を専務の部屋のベットに運んでくれたのは倉田さんで、その時、触って確認したんだと――


「さ、触ったぁーっ? 倉田さん、私の胸を触ったんですか?」

「はい、大事な事ですから。細い割に胸はちゃんとありますね。70のCカップ。違いますか?」


あ、当たってる……いやでも、彼の行動は全くもって意味不明。決して許される行為じゃない。


「それって犯罪ですよ!」

「大丈夫です。専務の見てない所で確認しましたから。バレてませんよ」

「な、そういう問題じゃないでしょ?」


怒り心頭で怒鳴りまくる。けれど、倉田さんは素知らぬ顔で自分がチョイスしたブラを私に差し出してくる。


「おそらくジャストフィットだと思いますが、一応、念の為にフィッティングルームで試着してみて下さい」

「はぁ? 今私は猛烈に怒っているんですよ!」


人目も気にせず、こんなに怒りを露わにしたのは生まれて初めてなのに、倉田さんはまた私をヒョイと抱えると無理やり試着室に放り込む。


「誰がこんな物……」


倉田さんに手渡されたブラを投げ捨てようとしたが……「あれ?」


改めてブラを見れば、繊細な蝶の模様のレースに覆われたシュガーピンクのカップに、他の部分は黒の総レース。細いストラップにも控えめな黒のレースが施されている。


ちょっと派手だけど、意外と可愛い……悪くないな。

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