となりのお兄さん
食べ終わりお皿を片付けている。
聡さんは、紙とペン、それと私とを見ては描き見ては描きの繰り返しだ。

洗い物を済ませこっそり紙を見ると素人目だがほとんど完成系に近いものがそこには書かれていた。

聡さんは、私の視線に気づき紙を隠す
「だっダメだよ!まだ完成してないのに・・・恥ずかしいよ。」
と言った。
きっと、デザイナー魂なのだろう。
未完成なものは見せられないっていう。

「見せてください、素人ですけど・・・なにかアドバイスできるかもしれないので!」

なにか、聡さんの役に立ちたかった。
ただそれだけだった。

聡さんは、じゃぁ・・・、と一言だけ言って紙を見せてくれた。

そこには女の子うけしそうな服が描かれていた

「少しなにかが違うんだよ・・・」

と、聡さんは呟く。

なにかが違う。
なにか・・・、中高生向けの洋服。
この服と、私の想像する服との違い・・・。
なんだろう。

「あ。」

そして、私は気づいた。

「聡さん、この服、フリルが多い気がします。」

聡さんは、ん?と言って見る。

「中高生向けなら、フリルは無しでもいいんでは?これだったら、女児向けになっちゃうと思うんですけど・・・。」

そう言うと、聡さんは「そうか!」と言って
私の手を握り

「ありがとう、綾音ちゃん!おかげで色々デザインできそうだ!」

そう言って部屋に入ってしまう。

これで、よかったの・・・かな?
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