センパイ、好きです。

私は、そんな冷たい先輩を無視して、先輩の隣に腰を下ろす。 その私の隣に美和ちゃんも腰を下ろした。



｢……高瀬、近くない？｣

｢そうですか？ あ、玉子焼き食べますか？｣


私は自分の箸で玉子焼きを取ると、先輩の口に近づけた。


｢はい、あーん｣


にっこり笑顔でそう言うと、先輩は、私のことを見つめてから 微笑んだ。



｢お腹いっぱい｣


そう言いつつも、パンを口に入れる先輩を見て、私は口を膨らませる。




｢少しは食ってやれよ…｣

隣で恭介先輩は、笑いながら私をフォローしてくれるが、別にそんなこと気にしてなどいない。




｢いいんです…！ 先輩笑ってくれましたから！｣

私が、満面の笑みでそう言うと、恭介先輩は、爆笑し、梓先輩はため息をついた。



ねえ、先輩。



もし、それが嘘の笑顔だとしても



素敵すぎて、当分忘れられそうにありません。








｢……えへへっ、センパイ、好きです｣

｢……あっそ｣