センパイ、好きです。



「こんにちは、先輩たち。」

美和ちゃんは、行儀良く挨拶をすると先輩たちの隣で笑いながら話し出した。


「それにしても、また来たのかよお前ら」

「……鈴奈の付き添いです」


1人の先輩の言葉に、美和ちゃんは私のせいだと付け足した。


私は、屋上のドアからひっそり梓先輩を見る。


「ほんっとに好きだな~ 高瀬 ( たかせ )って
梓のどこをそんなに好きなんだよ 」


そう言って笑うのは、梓先輩の友達。
日比谷 恭介 ( ひびや きょうすけ )先輩。


「…迷惑なだけ」


梓先輩は、パンを口に入れ静かにそう言った。
私はその姿に、胸がキュンッとして、先輩に近寄った。





「……かっこいいです、先輩。」

「あっそ……。」



冷たくあしらわれたって、好きなものは
好きなんだもん。 仕方ないと思う。




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