センパイ、好きです。



そんなふうに、冷たくあしらうけれど、ほんとは照れてるってことも、全部知ってる。



だから、諦められなくなる。



もっともっと、好きに溺れていく。




「なあ、時間平気なわけ?」

恭介先輩に言われて、美和ちゃんは携帯を取り出して時間を見る。


「あ、次って確か~ 決め事あるって言ってなかった? 」

美和ちゃんは思い出したかのようにそう言うと、私の腕を引っ張って、立ち上がる。



「それじゃあ、失礼しました!」


帰りまでお行儀の良い美和ちゃんに、感心する梓先輩の姿を見ながら、私は引きずられていた






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