君が嫌いな君が好き
最悪としか言えない再会
目を開けると、見なれない天井が視界に入った。

自分がどこにいるのかわからなくて一瞬だけ戸惑ったけど、すぐに理解した。

横になっていた躰を起こすと、それまで躰を隠していたシーツがスルリと滑り落ちた。

チラリと隣に視線を向けてみると、昨日の彼が眠っていた。

少年のようなその寝顔に、私はやれやれと息を吐いた。

酔っ払った勢いだったとは言え、年下から説教されたことが許せなかったとは言え、私もよくやるな。

「――もう27だぞ…」

そう呟いた声は風邪でもひいたのかと思うくらいにガラガラだった。

まさか、この年齢になってワンナイトラブをしてしまうとは…。

「まあ、いいか…」

27年間つきあっていた処女を捨てることができたし、一夜限りだけど男性経験があるって堂々と胸を張って言えるし…結果オーライと言うことにするか。
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