諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます

数日後

「内定もらえました!」

 私は出版社に採用された。
だが、田中さんの出版社ではない。

漫画と小説をコラボしている会社である。
漫画を描きつつも、その原作漫画を小説化していくのだ。

 私が掴んで得た会社だ。

私は松岡さん達に報告した。

「良かったな、本当に。どうなることかと思ったけど」

松岡さんは、この間の出来事がなかったかのように私が就職できたことを心よく祝ってくれた。

まだ彼の心は不完全なはずなのに。

「良かったじゃん」

「良かったわね。つ―か、あんた就活生だったのね。知らなかったわ」

 松岡さん達らしい言葉でねぎらってくれた。
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