溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
◇◇◇
岸本部長から内々に呼ばれたのは、それから三日ほど経った午後のことだった。
その顔色から、私にとって良くない話だとピンとくる。
そしてその予感は、見事に当たってしまった。
「上川さんに内示が出ているんですが……」
きっと、京介さんのお母様の指示なんだろう。
企画部にいたのでは、彼と接する機会が少なくない。
早々に排除するつもりなのだ。
岸本部長はそのあとの言葉が続かないようだった。
たぶん、本社から出される内示に違いない。
本社にいる従業員は、役員を除く全員がホテルでの現場経験を積んでいる。
そうして本社へ異動してきた者が現場へ戻される場合、支配人や相応の肩書のつかないのは、たいていが左遷のようなものだ。
そういった事例は、私も何件か知っている。
でもまさか、自分がその憂き目にあうとは思いもしないことだった。
「どこへ異動ですか?」
いつまでも言うのを躊躇う部長に、こちらから尋ねる。
「……ル・シェルブル東京の客室係です」
客室係……。