溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「亜樹みたいに上手にメイクできない」
ほぼスッピンで通すようになって数年が経つ。
それでは、いくらドレスが綺麗でも浮いてしまう。
ただでさえ、眼鏡をかけてぼやけた顔なのだから。
それだけじゃない。髪の毛は、ごく普通のショートボブ。
アレンジのしようがないのだ。
「だいたいね、スッピンを隠すために眼鏡ってのがいけないの」
掛けていた私の眼鏡を亜樹が奪った。
「あ! ちょっと!」
返してとばかりに手を伸ばすが、亜樹は腕を伸ばして私から遠ざけた。
「こんな瓶底眼鏡、いまどき誰も掛けてないでしょ。コンタクトにしなさい。メイクなら私がやってあげる。美緒奈なら素材がいいから、綺麗に変身できるよ」
それは友達の欲目に違いない。
どこをどう見たら、私の素材に良さを見い出せるのか。
亜樹のその目は節穴かと心配にもなる。
もちろん、メイクをしたことがないわけじゃない。
彼氏がいた頃にはそれなりにやっていたが、あまりにも技術がないものだから、彼氏と別れた途端、面倒になってしまったのだ。