秘密の交換をしよう
「凛ちゃんが味方になってくれるってわかってるのに、凛ちゃんが俺から離れてく夢見て、不安になったんだよね」
だから話してくれたんだ……
私はまた、ハルさんに抱きついた。
「凛ちゃん、そんなに抱きつかれると、さすがに勘違いしそうなんだけど?」
「それでも、私はこうしたいです。私はゆ……ハルさんから離れません。そんな夢、忘れてください」
「一番手っ取り早いのは、凛ちゃんが僕の恋人になってくれることなんだけどなー」
この流れでよくそんなことを。
「嫌です。恋愛に興味ないのと、女性社員に恨まれて仕事がなくなりそうだし……姫鈴さんの怒りを買ったら、それこそクビになって、私は無職になっちゃいます」
「そうなったら僕が養ってあげるよ」
……本気で言ってる?
なんて、疑う必要もないかな。
「私、二十五歳までに自分で稼いだお金で生活出来るようにしたいんです」
私はハルさんから離れて、座り直した。
「なんで?」
「私の人生の目標です。それまでは、恋人は作らない。仕事に集中するんです」