ふたりぼっち
***

質問に答えてくれないアキに疑念を抱きつつ、部屋の中に入る。

ピンクを基調とした部屋には、埃っぽい空気が漂っていた。

……ここが、私の部屋。


カーテンも閉め切られている為、部屋は薄暗い。

「換気、換気っと」

早足に部屋の窓を開けると同時に、波の音と潮の香りを帯びた風が部屋の中を駆け抜けた。

アキが、私に声を掛ける。


「なぁ、ハル。化粧台を、見てくれ」

化粧台……?

部屋には確かに、埃にまみれた化粧台が置かれている。


(一体、何があるんだろう? )


私は言われるが通りに化粧台に近づく。


そこには、小さな箱が置かれていた……。

まさか、これって……。
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