ふたりぼっち
「開けてみてくれ」

そう彼に促され、小さな箱を手に取る。

ゆっくりと箱を開けると、中には……ダイヤモンドのはめられた、綺麗な指輪が。

「パスワードは、その指輪の裏に書いてあるよ」

指輪を手に取り、輪っかの中を覗いてみると、そこには2006.10.31と掘られていた。


10月31日って……今日と、同じ日付……。

「ハル」

今まで私を守り続けてくれたその人が、名を呼ぶ。


「ハル、その指輪をもう一度はめて……俺の妻となってくれないか? 今の君には、俺と過ごした日々はほんの数日しかないだろう。けど。俺はこれからも、ハルを最愛の妻として守って行きたい。共に、歳を重ねて行きたい」
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