キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


「だってお前……お前だし」


「理由になってないね!?行こうよ。ちょうど今日、ハマってるバンドのCDが発売されるんだよね。それ買いたい」


明日まで待ちきれない、今すぐにでも買って早くCDのジャケットに頬ずりしたいのだ。


「しゃあねぇな。特別に着いてくることを許可しよう」


「上から目線やめてもらっていいっすか」


「2人共ケンカしないで仲良く行きな」


藍に宥められ、はーいと大人しく返事をする。そして喋りつつもそれぞれ楽器やら荷物やらをまとめて受付に挨拶をし、スタジオを出た。


皐月とCDショップに向かうためいつも通る道とは反対方向に足を進めようとした、ら。


「明日歌」


心地いい、綺麗な声に呼び止められる。



「碧音君!どうしたの?」


「ハイライトのCD、WHITEっていうアルバムなんだけど。もし店にあったら教えて」


ハイライト、それは碧音君がお気に入りのバンド。


< 462 / 579 >

この作品をシェア

pagetop