キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
「うん、いいよ。見てみるね」
「ありがと」
ふっと口元を綻ばせ、小さく手を振り背を向けて帰っていく。
――過去を打ち明けてくれたあの日から、碧音君は自分から歩み寄ってくれることが少し増えた。
今まではこちらから距離を詰めないと自分の気持ちを伝えてくれないことの方が多かったけど、最近は違う。
良いことだ。嬉しい。
「おい、置いてくぞ」
「あ、待って!」
既に数メートル離れたところまでスタスタ歩いていってしまってる皐月に、急いで追いついた。
「なぁ」
「うん?」
「お前と碧音、2人で出てったとき」
何だか言い辛そうに言葉を区切るから、そのことについては聞かれてもいいよと言ってあげる。
「お前らが戻ってきたとときは、別に聞かなくてもいいやって思ってたんだけどさ。やっぱ気になっちまって」
「そうだよね。分かるよ」
「碧音、お前に対して接し方変わったし」