キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


今だってあれが皐月の演技だったって信じきれてない分部もあるくらいだ。目が、偽りのないように感じられたから。なのにそれが嘘だったとは。


「焦ったんだから。人をからかうにも限度ってものがあるでしょ!?」


「ごめん。悪かったって」


「聞こえなぁーい」


「あーすーか。何か奢ってやるから」


肩を竦めぽん、私の頭に手を乗せた。


「どうしようかな」


「じゃあ特別にケーキ頼んでもいいぜ」


ケーキ。ちろりとメニュー表に目を滑らせれば、美味しそうなケーキが何種類か載っていて。ああ、とてつもなく甘い誘惑。ケーキが私を食べてと言わんばかりに見つめてくる!


「……チーズケーキ」


ぽつり、蚊の鳴くような声で呟くと皐月は笑って店員さんに追加でケーキを注文してくれた。何だろう、この敗北感。


結局丸め込まれてしまうあたり私は子供で。

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