朧咲夜ー番外篇ー【完】


「りゅ、流夜くんの望みは私が叶えてあげたいって思ってる!」
 

顔をあげた咲桜は、瞳まで真赤だった。


「あ……私の、出来る範囲で、ですが……」
 

流夜の行動範囲の滅茶苦茶な広さを思い出したらしく、そう付け足した。
 

流夜は思わず吹き出してしまった。


咲桜が必死過ぎて可愛い。


「もう十分叶えてもらってる。今度は俺が叶えたいよ」


「私も叶えてもらってるよ? 流夜くんと一緒にいたいって……」


「じゃあ、帰って来てくれるか?」


「……はい」
 

咲桜は、恥ずかしそうにこっくり肯いた。


「あと――」


< 77 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop