朧咲夜ー番外篇ー【完】
「りゅ、流夜くんの望みは私が叶えてあげたいって思ってる!」
顔をあげた咲桜は、瞳まで真赤だった。
「あ……私の、出来る範囲で、ですが……」
流夜の行動範囲の滅茶苦茶な広さを思い出したらしく、そう付け足した。
流夜は思わず吹き出してしまった。
咲桜が必死過ぎて可愛い。
「もう十分叶えてもらってる。今度は俺が叶えたいよ」
「私も叶えてもらってるよ? 流夜くんと一緒にいたいって……」
「じゃあ、帰って来てくれるか?」
「……はい」
咲桜は、恥ずかしそうにこっくり肯いた。
「あと――」