幾久しく、君を想って。
松永さんは約束通りに部屋へ来て、「ゲームばかりしてちゃ駄目だ」と拓海に言いだし、広い芝生のある公園へ行こうと誘った。


「男同士の遊びをするから宮野さんは来なくていいよ」


帰る前には連絡するから…と言い渡されてしまい、唖然としたまま二人のことを見送った。


一人残された部屋の中で、男同士の遊びとは何なのだろうか…と思った。

父親のいない拓海が、大人の男性と二人で出かけるのを見るのは実家の父以外にはない。


そんなふうなのに上手く遊べるのだろうか。

そもそも子持ちでもない彼が、一人だけで拓海の遊び相手が務まるのだろうか。


不安になりながらも託してしまったものは仕方ないと諦め、お昼前には戻るだろうと思いカレーを作って待った。

なのにお昼を過ぎても帰らず、日が暮れるまでには戻るのだろうかと思い直してカレードリアに変更した。


のんびりと家事を済ませ、午後五時を過ぎてきた頃、ようやく『帰るよ』とメッセージが入り、幾ら何でも遅過ぎる…と呆れた。


それから小一時間もしないうちに玄関のチャイムが鳴り、大慌てで迎えに行くと。




「すみません。遅くなって」


散々遊んだらしく、疲れきった拓海は彼の背中に負われて眠っていた。


「公園のアスレチックジムで遊んでいたら『スケートをやってみたい』と言いだしたから連れて行ったんだ」


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