幾久しく、君を想って。
酔い潰れてやった意味がないじゃないか…と零す。


「あの……」


面食らいつつもその話は本当だろうかと考えた。
自分はバツイチだし、子供だって一人いるのに。


「松永さんはどうしてそんなに私のことを?」


興味を持って貰えるようなことは何もしてない。

初対面の時も「COーOPです!」と言って裏口のドアを開けたから、「はい。お疲れ様です」と立ち上がって答えただけだ。


「そんなの知らないわよ。一目惚れでもしたんじゃないの?」


だから、金曜日に何か言われなかった?と聞いたじゃないの…と繰り返される。


「で、でも、私はバツイチの子持ちですよ!?」


「そんなの…家庭環境よりも大事なのは気持ちでしょうが」


そうだろうか。
家庭環境は大きく影響をするとは思うけど。


「そんなものでしょうか?」


自分には自信がないからそう聞き直した。
誰かに好いて貰える可能性なんて、これから先も求めようと思ったことがない。


「何言ってるの宮野さん。貴女まだ三十五歳なのよ?」


しかも独身でしょう!と力が入る。


「独身と言えどもバツ付きコブ付きです」


コブの無い独身バツイチとは違うんですよ…と言いたくなる。

ちらっと壁付けされた時計を見れば、これ以上話を続ける訳にもいかないような時間。


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