切手に想いを添えて
会計を済ませ後ろを振り向くと…



マジックのようにあれだけ待っていたお客さんが殆ど姿を消していた。



なぜ?と思ったが、それは外に出て分かった。




さっきまで晴れていた空に重く黒い雲が立ち込めていたからだ。



そう言えば…出て来る時お母さんが雨降るから傘もっていけって言ってたな~




言ってたのに、晴れてるから家に戻ってくるまでは大丈夫だろうと、根拠のない自信で傘を持ってこなかったのだが…




きっと、混んでたのも雨が降る前に用事を済ませようと人が押し寄せたからなんだろう。
突然消えたのも、用事を終わらせたからって言うのもあるだろうけど手続きを諦めて雨が降る前に帰ったのだろう。




私も雨降る前に早く帰らないと…

と、その前に、ATMでお金下ろしていかないとな…

今月分の生活費をお母さんに渡さなければ。

月始めに渡しているのだが、一日でも遅れようもんならどこから聞き及んだのか葉子姉ちゃんの嫌みの電話が掛かってくるから気が抜けない。




ATMも並んでないし、ちゃっちゃとお金下ろして帰ろー




なんて悠長に考えている余裕はなかった…

お金を下ろして外に出た見れば…




「なんで!?」




外はバケツの水をひっくり返したような豪雨になっていた。


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