光ることを忘れた太陽。

私にとって大切なのは、尚。


たったそれだけなんだよ。


尚がいればなんだって頑張れるんだよ。



いつだってその背中を追いかけてたのに。


今じゃもう追いつけなくて、どんどん距離が離れていく。



「咲希ちゃん……」


「泣きなよ。今まで溜めてた分も、全部」



2人の言葉に甘えて、私は泣き崩れた。


もう何がなんだかわからなくて、考える気力も湧かなかった。



どうしたら私は、楽になれるの?


その思いだけが、私の心の中を暴れるだけだった。




それからの学校生活は、今までよりもっと苦痛になった。


尚とは別れてから一切話してない。


桜蘭とも必要最低限のことしか話してない。



……いや、違う。


話してないんじゃなくて、話せないの。


私が桜蘭に避けられてるから。



彼氏の元カノなんて、話しづらいに決まってるよね。


私だって正直気まずいから、その気持ちはわかる。



それを知って、凛ちゃんも武琉も時間があれば私のところに来て元気づけてくれる。


嬉しいけどやっぱり申し訳なくて、家では1人で涙を流す日々が続いてる。
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