光ることを忘れた太陽。
「なんだ、違うのか?」
面白そうに、でも少し残念がるその先輩。
「でも、俺にとって1番守りたい奴です」
────ドキッ。
1番守りたい奴、って?
それはどういうことなの?
「もう付き合えばいいのに。じゃ、お疲れ」
それだけ言い残して、先輩は走り去っていった。
残された私達はどこか気まずくて、少しの沈黙が流れる。
学校を出て歩いても、まだその沈黙は続く。
すると、尚は何かを決意したように口を開いた。
「なぁ、ついてきてくれないか?」
どこに、と言おうとした口は開かなかった。
なぜなら、私は尚に抱きしめられたから。
「尚?」
ねぇ、尚の抱えてるもの全部、私に教えてよ。
力になりたいって思うから。
「俺の兄ちゃん────雅兄のいる病院に」