光ることを忘れた太陽。


◇◆◇



「遅くなってごめん」


放課後。


部活の話し合いは思ったより早く終わったらしく、尚は急いで駆け寄ってきた。



「大丈夫だよ」


だって、尚と一緒に過ごせるんだよ。


尚を待ってる時間は、楽しくて嬉しくて早く会いたいなって。


そう考えてる時間も楽しいから、好き。



「……なんか、緊張するんだけど」


私の顔を見ながらそう言う尚が、なんだか可愛く思えた。


私だって緊張してるよ。


好きな人と一緒にいられるんだから。



すると、後ろから。


「おっ、尚也の彼女か?」


尚の先輩らしき人がそう聞いてきた。



でも尚の顔を見ると、少し困ったような顔をしてる。


……困る、よね。


元カノだなんて言えないもんね。



「違いますよ」


……私が彼女になれる可能性なんて、あるわけないよね。



尚は「帰りたい」、「大事な話がある」って言っただけで。


私のことを恋愛対象として見てるわけじゃないもんね。
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