光ることを忘れた太陽。

「俺、母さん達と向き合ってきたんだ」


そう言うと、雅兄はホッとしたような安心した顔を見せてくれた。



「雅兄のことも知りたい。俺、ちゃんと家族になりたい……!」




ずっと、ずっと願ってきた。


俺にも優しい家族がほしい。



他のみんなと同じように、学校の行事にも来てくれて。


俺のことをしっかり見てくれる、そんな家族がほしいって。


ずっと、ずっと憎んできた。



なんで俺は大切にされないんだろう。


なんで俺を息子として見てくれないんだろう。


なんで俺を、いらない存在のように扱うんだろうって。



ずっと、ずっと信じてた。


きっと、こんな悪夢を見るのは今だけだって。


いつか幸せになれるときがくるって。



でも違った。


自分から行動しなきゃ、何も始まらなかった。



でも、変えてくれたのは。


壁にぶつかった俺を支えてくれたのは。


いつだって─────咲希だった。
< 227 / 301 >

この作品をシェア

pagetop