光ることを忘れた太陽。
「俺、母さん達と向き合ってきたんだ」
そう言うと、雅兄はホッとしたような安心した顔を見せてくれた。
「雅兄のことも知りたい。俺、ちゃんと家族になりたい……!」
ずっと、ずっと願ってきた。
俺にも優しい家族がほしい。
他のみんなと同じように、学校の行事にも来てくれて。
俺のことをしっかり見てくれる、そんな家族がほしいって。
ずっと、ずっと憎んできた。
なんで俺は大切にされないんだろう。
なんで俺を息子として見てくれないんだろう。
なんで俺を、いらない存在のように扱うんだろうって。
ずっと、ずっと信じてた。
きっと、こんな悪夢を見るのは今だけだって。
いつか幸せになれるときがくるって。
でも違った。
自分から行動しなきゃ、何も始まらなかった。
でも、変えてくれたのは。
壁にぶつかった俺を支えてくれたのは。
いつだって─────咲希だった。